土木学会論文集B3(海洋開発)
Online ISSN : 2185-4688
ISSN-L : 2185-4688
海洋開発論文集 Vol.37
風速が波の打ち上げ高におよぼす影響の水理模型実験による評価
村上 啓介木村 篤志真木 大介
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2021 年 77 巻 2 号 p. I_67-I_72

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抄録

 本研究は,海岸護岸を対象に,風速と波の打ち上げ高の関係について,風による堤前波浪場の変化に着目して明らかにすることを目的に行った.風による波の打ち上げ高の増加特性は,堤前での砕波の有無により異なる.非砕波の場合,波の相対打ち上げ高は風速に伴って指数関数的に増加する.他方,護岸前方で砕波が生じる場合,波の打ち上げ高に対する風速の影響は極めて小さい.風速に対する波の相対打ち上げ高の増加には,風による護岸法先波高の増幅が大きく影響する.加えて,風速が増した状況になると,護岸法面を波が遡上する際に働く風応力の効果が明示的に見られた.風速に対する波の相対打ち上げ高の増加を,風速をパラメータに指数関数で仮定した場合,その係数は堤前での波形勾配とある程度の相関がある.他方,法先付近の底面流速に対する風速の影響は極めて小さい.

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