2021 年 77 巻 2 号 p. I_73-I_78
空港などの護岸の高さが制限される条件下では,スリットケーソンが有効な越波低減策の一つに挙げられるが,高潮時に遊水室が水没した場合には越波抑制効果が十全に発揮されない可能性があり,その影響についての定量的な検討も十分ではない.特に,護岸の隅角部では波の収斂によって越波流量が急増するため,スリットケーソンだけでの越波を十分に低減させることが難しい.本研究では,スリットケーソンの遊水室水没時の換算天端高係数を評価するとともに,波が隅角部に対して直入射する場合と斜め入射する場合とでの越波流量の変動傾向を調べた.また,スリットケーソンに付加可能な対策工として,簡易な波返工の設置によって隅角部における越波流量が効果的に抑制されることを示した.