2021 年 77 巻 2 号 p. I_691-I_696
近年,UAV写真測量は状況写真撮影等の汎用性の高さなどにより最も普及しているUAV測量手法の一つである.しかし,周囲を海に囲まれた消波ブロックを対象とする場合,対象物の周囲を標定点で囲んで精度を確保する方法は困難である.そこで本研究では,海に囲まれた構造物に対してUAV写真測量での標定点配置の影響評価と,消波ブロックに隣接する防波堤上部工上に配置した標定点外についての計測精度検証を行った.
その結果,消波ブロックを対象としてUAV写真測量を行う場合は,標定点を上部工へ100m間隔で2点とその間に1点置くことと,垂直撮影に加え4方向かつ角度45度の斜め撮影を行うことで,標定点から62.5m未満の範囲までは精度が確保できることが明らかとなった.したがって,UAV写真測量の消波ブロックへの利活用の可能性が確認できた.