2021 年 77 巻 2 号 p. I_751-I_756
本研究では,日本海側の5つの港を対象に時系列データの特徴量を保持できるLSTM層を組み込んだニューラルネットワークを用いて波浪予測を実施した.ここで,LSTMを用いた日本海側の波浪予測の適用性を検証することは,海洋工事の可否判断に資すると考えられる.本研究では,波浪予測の入力データに日本海海域のメソ数値予報モデルMSMの気象データ(地表風速,気温,海面更正気圧,相対湿度)を用いた.入力データの組み合わせによる精度の違いを評価し最適な入力パラメータの検討を行った.結果として,入力パラメータには波の発生に大きく影響する風速項以外に気圧や気温を入れることで精度が向上しており,LSTMを用いた波浪予測が高精度に適用可能であることが示された.