2021 年 77 巻 2 号 p. I_817-I_822
金田湾に面した北下浦漁港~三浦海岸間の海浜変形について,1965~2020年に取得された6時期の空中写真・衛星画像の判読を行い,汀線位置を読み取って近年の汀線変化を解析した.また,三浦地区で2006~2020年に行われた深浅測量データより海浜縦断形の変化解析も行った.この結果,三浦海岸では1965~1988年に海浜土砂量が急激に増加し,その後地形変化がほとんど生じていないことが見い出された.これより,この間の地形変化は人為的なもので,当時建設中であった北下浦漁港の本港付近から南側の三浦海岸へと人工的に砂が運ばれたことにより,土砂の偏在が起きた可能性が大きいことが分かった.