2021 年 77 巻 2 号 p. I_895-I_900
航路整備のための浚渫工事から発生する大量の浚渫粘土と,製鉄所から産出される製鋼スラグを混合して,固結作用を期待した混合土(以下,改質土)の研究開発が進められている.本論文では,この改質土を捨石マウンド形式護岸の腹付け部に用いることを念頭に,再構成試料の強度に及ぼす混合してから再構成させるまでの時間の影響を検討するために,施工中の管理基準値を設定する基礎資料となる若齢改質土の強度特性をベーンせん断試験で,完成時の設計定数に関わる固化後の強度を一軸圧縮試験で求めた.
限られた実験条件ではあるが,改質材の混合から盛立てまでの時間が6時間を超えなければ,練返し・再構成の影響をほとんど受けないこと,期待する改質土の強度が高いほど練返し・再構成の影響を受けることが確認できた.