2021 年 77 巻 2 号 p. I_901-I_906
沖縄名護市の東江海岸では,高潮対策のために天端幅70m, 天端水深1.3m(開口部水深3m)の人工リーフが40mの開口部を設けて設置された.それに加え,長さ100mの不透過突堤3基が伸ばされ,その間で人工海浜が造成された.しかし台風時の高波浪の作用により,この人工海浜では侵食が進み,前浜が狭まってきた.本研究では,深浅測量データよりこの海岸の縦断形や海底形状の変化を調べた.測量データの解析によれば,東江海岸では天端水深3mの開口部を通じて養浜砂(チービシの浚渫土砂)の沖向き流出が起きた.よって現在の形状の人工リーフでは,チービシの浚渫土砂を用いた養浜には限界があることが分かった.