2021 年 77 巻 2 号 p. I_97-I_102
海底設置型フラップゲート式可動防波堤は,平常時は海底に倒伏して船舶の通行を確保し,津波や高潮が予測される場合には水面上に浮上させ,航路を締め切ることで背後域への浸水を抑制する.本技術は2003年に開発が開始され,2011年から3年間の実海域試験を経て,2017年に岩手県が行う津波対策施設に初採用された.詳細設計では特に設備完成後の維持管理性に留意し,現地施工では,困難が予想された水門本体と56本の鋼管杭との現地接合の施工方法の検討に留意した.現地試運転では,実機における扉体の動作特性を確認し,所定の性能を満足することを確認した.2020年12月に無事に施工を完了した.