2022 年 78 巻 2 号 p. I_103-I_108
本研究では,令和3年度台風9号通過前後における新潟海岸の離岸堤背後の地形変化を対象として,現地調査を実施し,数値計算モデルを用いて分析した.現地調査データは,UAVとRTK-GNSSを用いた空中写真測量とGPS魚群探知機を用いた深浅測量により取得した.次に,XBeachを用いて離岸堤背後の海浜変形の数値計算を行った.数値計算結果では汀線より陸側で侵食,海側で堆積が発生していて,測量結果とよく符合していた.また,測線毎の地形変化を定量的に分析するためにBSSを用いて分析したところ,潮位データに観測潮位を用いたケースのほうが天文潮位を用いたケースよりもBSSが向上した.また,離岸堤背後に形成された舌状砂州を数値計算で再現できていた.これは,離岸堤付近における波浪場,海浜流の影響によるものであることが数値計算の算定結果より確認された.