土木学会論文集B3(海洋開発)
Online ISSN : 2185-4688
ISSN-L : 2185-4688
海洋開発論文集 Vol.38
海浜地形変化から推定する遡上帯から発生する飛砂量について
片野 明良清水 利浩千田 奈津子眞井 里菜有川 太郎
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2022 年 78 巻 2 号 p. I_97-I_102

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抄録

 新潟港海岸日和山浜地区にて,飛砂が発生する冬季(12月中旬から3月上旬)に,TLS測量とUAV測量による海浜地形測量を4年に亘って実施した.精度の高いTLS測量は信頼し得る土量計算を可能にした.砂浜地形の土砂収支解析から,遡上帯からの飛砂発生の事実の確認,及びその発生量の推定ができた.1冬季期間の遡上帯からの飛砂発生量は概略1.6~2.5m3/mであった.海浜のある一定の範囲(第2区画)にて,海浜陸端に設置してある堆砂垣周辺の堆積量から推定された飛砂量は,2016年度4.6m3/m,2017年7.5m3/m得ている.2016年度2.27m3/m / 4.6m3/m=0.49,2017年度3.66m3/m / 7.5m3/m=0.49となり概略50%程度が遡上帯から発生していることになる.遡上帯の幅は20m~40m程度であった.地形データから判読された最大遡上高は改良仮想勾配法により算定される値と概略一致した.

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