2022 年 78 巻 2 号 p. I_631-I_636
沿岸域のブルーカーボン効果は,アマモ等の海性植物による炭素固定が研究の中心にある.一方で,定量的に炭素固定効果を推定するためには,底泥に蓄積される有機物の定量測定が必要となる.本研究では,過剰な有機物の流入する海底から堆積有機泥を採取し,石炭灰造粒物(GCA)による有機物の難分解化実験を現地で実施した.この実験において,GCA混合層内で生態系が再生された土壌の有機泥性状の分析により,有機泥の難分解化について検討を行った.検討の結果,GCAから溶出するイオンはCODの低減等を促進させると同時に,難分解性物質を形成することが示唆された.