2022 年 78 巻 2 号 p. I_829-I_834
ブルーカーボン効果を定量化するために現地でのCO2の連続測定が望まれている.海水中の酸化還元電位(ORP)はCO2の溶解による変化が大きいが,酸素消費によっても大きく変動する.本研究ではCO2の溶解に伴う電極反応および,DOの消費(還元物質の低電位場における酸化反応のORPへの影響)について検討した.海水へのCO2の溶解,沈殿とpHとの関係,海水中でのCO2の炭化濃度,実験結果と理論値の比較によりCO2の沈殿機構,およびCO2濃度と電位が競合するDOの酸化還元反応と反応電位の関係を明らかにした.さらに,現地において電極によるCO2濃度測定の可能性を確認した.