2015 年 71 巻 3 号 p. I_161-I_168
筆者らは,アスファルト舗装の疲労が供用に伴いどのように蓄積していくか把握することを目的に,舗装各層に土圧計等の計測機器を埋設した実大舗装供試体に対して繰返し載荷試験を実施している.既報にて,路面の雨水湛水の有無が舗装の疲労蓄積に大きく影響すること,地下水がなく路面が乾燥している条件下では路盤層以下には損傷が及ばない可能性があること等を明らかにしたところである.本報では,長期に渡る繰返し載荷試験及び地下水位の条件を変えた同試験の結果より,路面に雨水湛水がなく地下水位を与えない場合は長期に渡り構造的健全度を保持すること,及び上層路盤上面に至る高い地下水位下では,急激にアスファルト混合物層・路盤層の弾性係数が低下して構造的健全度が低下することを実証的に確認したことを報告する.