2015 年 71 巻 3 号 p. I_25-I_30
国土交通省による総点検実施要領(案)【舗装編】では,舗装路面の点検方法として従来の路面性状測定車による方法に加え目視点検が導入されたが,目視点検を採用した事例や研究が乏しいため,ほとんどの自治体ではコストの高い従来の点検方法を採用している.本研究では,目視点検として,歩きながら点検する歩行点検と走行車両から点検する走行点検の2方法を考え,路面性状値が既知の舗装において両点検を実施し,その精度について検討した.歩行点検の正解率はひび割れとわだち掘れが約80%,縦断凹凸は約60%であり,点検経験を積むと正解率が向上した.走行点検ではひび割れとわだち掘れが約60%,縦断凹凸は約70%であり,経験を積むとひび割れでの損傷レベルが大きい箇所で正解率が上昇することが分かった.