2019 年 75 巻 1 号 p. 1-16
持続的に広域の路面を管理するために簡易で安価な路面評価法の開発が期待されている.そこで,本研究ではスマートフォン等により計測された車両応答から路面縦断形状を推定する方法を開発した.本手法は,ハーフカーモデルを採用し,路面縦断形状を状態変数に含む拡張状態ベクトルを,カルマンフィルタ,Rauch-Tung-Striebel平滑化,Robbins-Monroアルゴリズムの組み合わせにより推定する.さらに,互いに独立な状態変数として推定される,前後輪位置の路面縦断形状は,実際は同一物理量であることに着目して,両推定量の差を最小化するように車両パラメータを同定する方法も提案した.車両と走行速度の違いを補正して路面縦断形状を推定しIRIを算出できることを,シミュレーションおよび走行試験により示した.