2020 年 76 巻 2 号 p. I_61-I_67
一般的な超高強度繊維補強コンクリート(以下,UHPFRC)は,粗骨材を用いていないため,製造直後は流動性が高い.このUHPFRCを用いて橋梁床版を増厚して補強する場合,UHPFRCの配合や打継面処理方法,施工機械の仕様,養生方法などを検討する必要がある.本研究では,床版上面増厚工法に適したUHPFRCの配合を検討し,コンクリート床版を模擬したコンクリート版の上面にUHPFRCを薄層で打継ぐ施工実験を行い,UHPFRCの施工性やUHPFRCとコンクリート版の付着性の検討を行った.その結果,現場施工が可能な配合を選定し,コンクリート床版上面の打継面処理方法として湿潤処理あるいは接着剤塗布処理を施すことで良好な付着性能が確保できる可能性を確認した.