2021 年 77 巻 2 号 p. I_59-I_66
本研究は床版コンクリート上層部の劣化がアスファルト舗装の早期破壊に及ぼす影響について実験的に検討したものである.まず,水浸ホイールトラッキング試験時における環境温度および供試体形状をパラメータとした載荷試験から,実道路橋で見られる劣化状態を再現し得る試験方法を考案した.そして,得られた試験結果から,床版コンクリートの砂利化がアスファルト舗装の早期破壊に及ぼす影響について検討した.その結果,橋面アスファルト舗装で見られる土砂の噴出現象を再現可能な試験方法を提案するとともに,砂利化直上におけるアスファルト舗装は,コンクリート床版の支持力低下に伴い舗装下部に輪荷重による曲げひび割れが生じ,これが上面側に進展することで早期破壊に至ることを示した.