2022 年 78 巻 1 号 p. 28-39
著者らは,舗装の早期劣化区間にて行った詳細調査において,若手技術者の育成を目的としたプログラムを実行した.本プログラムにはナレッジマネジメントのSECIモデルを導入し,若手技術者は熟練技術者と共に詳細調査の経験を積むことで暗黙知を獲得し(共同化),各種調査結果の分析・考察を通してそれを形式知に変換し(表出化),報告書を作成することで新しい形式知を得る(連結化)過程を体験した.プログラム実施後のアンケート調査から,若手技術者は,新たな形式知が増えたと実感し,さらにそれを所属先で活かせていることが分かった.また,北海道の中小規模の舗装会社を対象に若手技術者の現状と育成方法に関するアンケート調査を行ったところ,本プログラムに対するニーズがあることが分かった.