抄録
開発援助では,住民参加型のコミュニティ開発プロジェクトが数・投入金額ともに増加している.本研究では,コミュニティインフラ建設を主な構成要素としている農村開発プロジェクトを事例とし,投入されるインフラの内容と実践方法によって発現するエンパワーメントについて,プロジェクトの実施過程に注目して分析した.その結果,包摂と参加,情報アクセス,説明責任,地方組織の能力の4条件を重視したコミュニティインフラ建設の実践方法によって生じる,行政と住民組織の能力改善や制度・ルールの改善といったエンパワーメントの発現メカニズムを解明した.さらに,ソーシャルキャピタルの改善がエンパワーメントに繋がることも見出した.また,インフラ建設プロジェクトの特質がエンパワーメント発現に結びつくことを示した.