2019 年 75 巻 1 号 p. 22-41
開発途上国に橋梁マネジメントを導入する場合,1)既存インフラに関するインベントリーデータが整備されていない,2)目視点検に関するデータが蓄積されていない,という問題がある.橋梁マネジメントを導入するにあたり,橋梁の建設時点に関するデータが入手可能であれば,目視点検を1度実施することにより劣化過程のモデル化が可能である.しかしながら,開発途上国では橋梁の建設時点にする情報が欠損することが少なくない.本研究では,一部の橋梁の建設時点に関するデータが欠損しているような不完全なデータベースを用いて,橋梁の劣化予測モデルを推計する方法論を提案する.さらに,ベトナムの橋梁を対象とした実証分析を通じて,本研究で提案した方法論の有効性について考察する.