2020 年 76 巻 1 号 p. 113-123
ラオスでナムニアップ1水力発電所の建設を進めてきた.ラオスではインドシナ戦争時に,莫大な量の爆弾が投下され,その多くが今も不発弾として残され,現地住民が,不発弾の犠牲になることがしばしばある.また,大規模なダム建設や現地住民の移転を伴う水力発電プロジェクトでは,その建設工事を安全に進めるために,適切な不発弾の調査および除去が求められる.調査と除去の方法に関しては,ラオス政府機関が必要最低限の技術基準を定めているが,それ以外に建設契約や調査地点の特徴に応じた調査や除去の方法を設定する必要がある.本稿では,NNP1の建設工事をとおして実践した不発弾の調査と除去のプロセスについて論じ,ラオスにおける不発弾処理の実行可能な方法について提案する.