2020 年 76 巻 1 号 p. 66-83
国土交通省はインフラシステム海外展開行動計画 2019を推進しているが,競合国に比べて日本の建設にかかるコストが高い等の指摘を当該国から頻繁にうけている.建設にかかる諸経費などを削減する努力はもちろん必要であるが,設計に関して途上国での条件設定に食い違いがあるなどの指摘もある.そこで本研究では,インフラシステム海外展開における競合国の一つである中国を対象にして,中国の途上国での設計例を抽出し,日本のそれと比較することで,日本の設計におけるコスト削減につながるような方策を検討することを目指す.具体的にはカンボジアでの中国施工橋梁を併設する日本施工橋梁と比較し,設計条件の設定方法,設計の考え方,維持管理面を考慮したLCC比較などから考察する.