2009 年 65 巻 1 号 p. 195-201
地盤震動の鉛直アレー観測が実施されるようになり,これらを用いた地盤同定が行われるようになった.これまでに,いくつかの方法が提案されており, S波速度の構造を推定することについては成果を上げているものの,減衰特性値の推定については,その精度向上が課題となっている.本研究は,Q値(減衰特性値)の感度を利用し,周波数ごとにQ値を同定するスイープ法に基づき,より明瞭な情報が抽出できるように手法を改良した.そして,KiK-net観測網の同一地点について,いくつかの異なる地震の際に得られた地盤震動記録から減衰特性の推定値の整合性について議論した.