2009 年 65 巻 1 号 p. 426-433
多径間連続桁の地震時性能の向上策の一つとして反重力すべり支承またはUPSSと称される支承が提案されている.UPSSの動的応答に伴い生じる衝撃力や動的応答を明らかにするため,UPSSを取り付けた桁フレーム模型の振動台実験を実施した.振動台実験より,衝撃力は衝突速度とほぼ比例の関係にあること,衝撃力が生じるような場合においてもすべりによる水平荷重/鉛直荷重の関係が成立すること,また平面すべり支承と比較して動的応答変位が低減する効果があることを示す結果が得られた.得られた計測データに基づいて考察した簡易な力学モデルを検討し,UPSSに特徴的な衝撃力などの動的挙動を表現できることと,ある程度の衝撃力の推定が可能であることを確認した.