2009 年 65 巻 1 号 p. 821-826
空港は地震災害時には緊急物資輸送の拠点等としての役割を果たし,非常に重要な社会基盤施設の一つである.大規模地震の襲来時,供用の可否判定をするにあたり,被災程度に応じ対応が異なってくることから,実際にどの様な被害が起こり得るかの把握が必要となる.
本研究では,臨海部の軟弱地盤上に施工された滑走路を想定し,実大滑走路試験体を現場に施工し,制御発破により地盤の液状化を発生させ,実際の被災程度の把握を試みた.水準測量より液状化に伴うアスファルト舗装の変状を把握するとともに,地表面では確認できない液状化によるアスファルト舗装下の空洞化や地盤の緩みを調べるため地中レ-ダ-探査を実施し,被害傾向についてまとめた.