抄録
2007年新潟県中越沖地震では柏崎市,刈羽村,出雲崎市,上越市の4市町村の宅地が大規模な被害を受けた.そこで,宅地所有者に被災宅地の危険度を把握・周知して二次災害を軽減するために,248人の被災宅地危険度判定士によって2,082件の大規模な調査が2007年7月17日~25日に渡って行われた.
この論文では,被災宅地危険度判定士による宅地擁壁,宅地地盤,のり面・自然斜面等の被害状況の判定の際に用いた調査票を同一の指標になるように精査した後にその結果を分析し,さらにこれまでの1995年兵庫県南部地震および2004年新潟県中越地震との比較を行い,被害の特徴を明らかにし,今後の宅地防災対策のあり方について検証する.