2011 年 67 巻 3 号 p. 545-564
列車の急速な高速化に伴い,RC鉄道高架橋,およびその構成部材においても,共振の発生とこれに伴う構造物音への対応が必要となってきている.本研究では,構造物音の評価や予測に不可欠なRC鉄道高架橋の部材振動特性を明らかにするために,実際のRC桁式高架橋とRCラーメン高架橋のスラブ部材を対象とした列車走行試験を行い,振動特性を同定した.これにより,RC桁式高架橋では130Hz付近で中間スラブ,RCラーメン高架橋では50Hzを超える周波数帯域で同じく中間スラブの局所的な部材振動モードが存在することを確認した.さらに,これらの部材振動モードは車軸間隔との高次共振により列車走行時に卓越成分を形成することを実証的に明らかにした.