2011 年 67 巻 3 号 p. 565-582
本研究は,より合理的な耐震性能照査を実現するため,地盤-LNG地下タンク躯体連成動的非線形解析手法の適用を検討するものである.
研究では,まず,LNG地下タンクの地震観測記録のシミュレーション解析を行って,地盤と構造物のモデル化や動的応答解析手法の適用性を評価し,次いで,この解析手法を用いて実機LNG地下タンク躯体のレベル2地震動に対する耐震性能照査を実施した.その結果,レベル2地震時の損傷はひび割れが生じる程度に止まり,現行の耐震性能照査法で照査されたLNG地下タンク躯体はレベル2地震動に対して十分安全であることが確認できた.しかし,一方では合理化の余地が残されていることも明らかになった.