2012 年 68 巻 1 号 p. 151-166
本論文は,超高速鉄道における沿線地盤振動の特性を振動の発生・伝達の観点から把握し,予測モデルを構築して,営業線で想定される条件における予測を行うものである.実験線での走行試験結果から,超高速鉄道では車両による周期的な加振の影響に加えて,高架橋の振動特性や地盤の特性が沿線地盤振動に大きく寄与していることを明らかにした.さらに,営業線で想定される地盤条件や,環境対策工を含めた構造物条件を再現可能な3次元シミュレーション解析モデルを構築して振動レベルの予測を行い,環境保全目標値である新幹線振動の勧告値が営業線においても十分に達成可能であることを確認した.