抄録
耐候性鋼橋梁の異常さびを補修塗装する方法は,現在基準化されたものはなく,過去の数少ない事例から,現時点で耐久性が高いとされているRc-I塗装系を準用し,付着塩分量を50mg/m2以下とすべきと提案されている.しかし,耐候性鋼材に生成した強固な固着さびの除去は容易ではなく,素地調整の品質を確保しつつRc-I塗装系を耐候性鋼橋梁への適用する方策は確立されていない.そこで本報では,耐候性鋼橋梁の補修塗装にRc-I塗装系を適用するための補修用素地調整とさび中に内在する塩分の除去方法を検討し,鳥取県山間部にある耐候性鋼橋梁に適用した結果について報告する.