抄録
平成16年の車両用防護柵の設置基準改訂により,防護柵を設置する際にその地域特性に応じた景観への配慮を行うことが規定された.この設置基準改定に伴って景観性を向上させるために,様々なタイプの防護柵が開発されている.本研究では,その中の防護柵の一つである,眺望性を確保するために背面の圧縮部に横ねじれ座屈を発生させるという変形特性を有した,新型の橋梁用ビーム型鋼製防護柵支柱の衝突性能の検討を行った.従来型防護柵と比較を行いながら,実験的及び数値解析的に検討した結果,防護柵の設置基準の要求する性能を,新型防護柵は十分に満足する事を明らかにすると共に,背面の圧縮部の横ねじれ座屈変形によって衝突エネルギーを吸収しており,緩衝性に優れている事を定量的に明らかにした.