2012 年 68 巻 4 号 p. I_169-I_185
東日本大震災で被害を受けた港湾において微動観測および余震観測を実施することにより,サイト特性の面的な把握を行った.具体的には,まず,港湾内で微動観測を面的に実施することにより,港湾全体のサイト特性の概要を把握した.特に,施設背後と既存の強震観測地点における微動特性を比較することにより,強震観測地点における揺れが施設に作用した揺れを表しているかどうかの判断を行った.強震観測地点における揺れが施設に作用した揺れを表していないと判断される場合には,施設の背後において余震観測を行い,当該地点における詳細なサイト特性を明らかにした.さらに,得られた結果を総合して,サイト増幅特性と微動H/Vスペクトルとの対応関係についても調べた.