抄録
劣化あるいは健全度のデータベースには構造物や劣化の特性が異なるデータが混在しており,その分離を行った上で劣化に関する回帰曲線を求めることが好ましいが,分離に必要な情報を完備することは一般に困難と予想される.そこで,本研究では,EMアルゴリズムと情報量基準を用いることにより,1)統計的にデータを複数のグループに分類,2)劣化曲線の算定,を同時に行う方法について提案した.複数の直線から架空データを作成して提案手法によって元の直線群(モデル)を推定できることを確認した後,橋梁に関する実際の点検データベースに適用して統計的に複数の劣化曲線の算定を行った.その結果,4種類の劣化速度が異なる劣化曲線が求められ,それぞれの曲線にはある程度の物理的な解釈を加えることができることを示した.