2013 年 69 巻 2 号 p. 232-244
気象庁の計測震度は,3成分合成加速度にハイカットとローカットだけでなく,周期に関するフィルター処理も施され,加速度と速度の中間的な評価方法となっている.また,ローカットフィルターによって,長周期領域の震度を低く評価する算定法となっているために,長周期領域を有する構造物の被害に対応していないことが指摘されている.本研究は,ローカットフィルターを見直し,現計測震度との対応関係を明確にした上で,長周期領域の影響も考慮した周波数補正加速度の算定方法を提案し,速度・変位にも対応した震度の表現法について検討した.また,速度と変位に対応した震度の時系列表示としては,筆者によって提案している移動実効値法を用いた震度レベルの時系列表示を使用して,比較検討した.