2013 年 69 巻 2 号 p. 295-314
兵庫県南部地震以後,アンカー部は修復困難な損傷発生を避けるため,鋼製橋脚躯体より大きな耐力を持つようにキャパシティーデザインの考え方で設計される.一方,兵庫県南部地震以前に建設された鋼製橋脚の耐震補強においても同様な考え方が用いられるが,アンカー部には比較的大きな損傷が許容されている.しかしながら,いずれの鋼製橋脚においても,応答値を計算するモデルでは橋脚躯体基部はフーチングに剛結と仮定される.ここでは,上記2種類の鋼製橋脚アンカー部に対して橋脚躯体基部を剛結とするモデル化の妥当性ならびに基部の固定度が橋脚の終局挙動に及ぼす影響を水平1方向繰り返しと,より現実的な水平2方向繰り返し荷重下において検討する.