2013 年 69 巻 3 号 p. 439-451
同一断面の鋼製(SM400)またはアルミニウム合金製(A6061S-T6)座屈拘束ブレース(BRB)を斜材に設置した剛結鋼トラス構造に,一定鉛直力(死荷重想定)と繰り返し水平力(地震力想定)を破壊に至るまで載荷した実験を実施し,トラスの損傷過程および変形性能の比較を行った.その結果,鋼BRBは軸方向剛性およびひずみ硬化による強度上昇がアルミニウム合金BRBに比べ大きいため,鋼BRBトラスは損傷が主構造まで拡がることが分かった.このことは,橋梁の耐震性向上を目的に横構・対傾構にBRBを使用する場合,BRBの軸方向剛性・強度を過度に高めることは,周辺部の部材・部位に損傷を広げるため,注意が必要であることを示唆している.