2013 年 69 巻 3 号 p. 452-466
近年,部材の合理化を図った鋼橋の普及により,高力ボルト摩擦接合継手は大型化し,ボルトが多列化する傾向にある.このような大型継手において,ボルト列数や板厚がすべり係数に与える影響については,不明な点も残っている.本研究では,ボルト列数,母板の断面形状,すべり/降伏耐力比,連結板/母板降伏耐力比などがすべり挙動に与える影響やすべり係数低下のメカニズムの解明を目的とし,FEM解析を行った.その結果,多列となる場合に各ボルト列の分担摩擦力が不均一となり,すべり係数が低下すること,断面形状における板幅の影響が大きいことを明らかにした.