土木学会論文集A1(構造・地震工学)
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和文論文
調整池のBuffer効果を考慮した水力発電水路施設の復旧過程に関する研究
土居 賢彦静間 俊郎中村 孝明
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2013 年 69 巻 3 号 p. 505-515

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抄録

 水力発電所は,火力発電所の起動電源としての役割を担うため,水力発電所の機能維持は非常時の電力供給の面から重要である.また,発災時において調整池下流側設備が健全であれば,上流側からの取水が停止しても調整池の貯水により,一定時間の発電が可能である.つまり,調整池は緩衝材(Buffer)としての役割を有し,火力発電所の起動電源としての役割を担うことができる.本研究は地震時の発電機能の信頼度や復旧期間を評価し,これを基に耐震化の優先順位を合理的に定める方法の整備を目的とする.本論は送水能力の余力や調整池のBuffer効果,ならびに構成設備の損傷相関を考慮した水力発電水路施設の地震時信頼度,復旧曲線の評価手法を整備する.また,水力発電所の水路施設の事例に適用し,調整池のBuffer効果や損傷相関の影響について考察する.

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© 2013 公益社団法人 土木学会
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