2013 年 69 巻 4 号 p. I_31-I_41
鋼製支承を有する多くの曲線橋では,支承部を上部構造の接線方向や法線方向に合わせて設置しており,解析ではその方向に合わせてモデル化を行うのが一般的である.しかし,支承部の設置方向が各支点において異なっていることから,支承部の支持方向と地震時慣性力の方向が一致しない箇所が存在し,地震力が支承部に対して斜め方向に作用した場合,支承部がどのように挙動するかは,これまで検討事例が無く,不明である.本研究では,曲線橋におけるローラー支承の動的挙動や解析手法を明らかにすることを目的とし,模型ローラー支承を用いて載荷方向をパラメータとした破壊実験を実施し,その実験結果に基づいてローラー支承の解析モデルを提案した.この提案モデル用いて仮想の曲線橋を対象に地震応答解析を実施し,現行の支承モデルを用いた結果と比較を行った.