2013 年 69 巻 4 号 p. I_440-I_447
本論文は,補剛箱形変断面鋼製橋脚の数値解析の結果および変断面部で座屈が生じない条件式の提案に関してまとめたものである.断面が2段階に変化する補剛箱形変断面鋼製橋脚において,変断面部で局部座屈が生じると,橋脚基部で生じる場合に比べて耐震性能が低下してしまうことを踏まえ,補剛箱形変断面鋼製橋脚モデルに対して行った繰り返し弾塑性有限変位解析の結果をもとに構造パラメータの変動を考慮した変断面部で座屈が生じないための条件式を提案する.本研究の結論として,今回提案した条件式を設計に取り入れることで,補剛箱形変断面鋼製橋脚の座屈位置および耐震性能の低下の有無を容易に知ることができるといえる.