2013 年 69 巻 4 号 p. I_889-I_902
下水道整備の進展に伴い,管路延長は約42万kmにのぼるなど施設ストックが増大している.これに伴い,管路施設の老朽化等に起因した道路陥没も増加傾向にあり,平成21年度の発生件数は約3800箇所にのぼっている.特に,近年,下水道管路施設の老朽化は著しく早急な対策が急がれる.掘削条件や道路交通への影響等々を考慮して,非開削による管更生工法が注目されている.管更生工法は様々な工法が立案されているが,管径がφ800mm未満では自立管タイプの工法が主に採用される.自立管には更生材単独で土圧等の外圧に耐える強度が求められるため,一般に厚みが大きくなり,施工性や断面確保が難しくなるという課題がある.本研究では,土圧等の外圧に耐える高剛性部と地下水や土砂の浸入を防ぐライニングを備えた構造の自立管を考案し,下水協会規格の埋設,偏平実験とFEM解析によりその安全性の検証を行うものである.