2014 年 70 巻 1 号 p. 129-136
2011年東日本大震災では,数多くの橋が津波によって流された.橋の流出を防ぐためには,支承や落橋防止構造の耐力を上げる構造力学的対策と,桁断面形状を変えることによる流体力学的対策とが考えられる.本研究では,整流板を桁に取り付けることによる流体力学的対策について実験的に検討した.桁の側面に直線状や半円状の整流板を取り付け,桁に作用する流体力を計測するとともに,桁周辺の流況を観察した.その結果,四角形の整流板を取り付けることにより揚力を軽減することができたが,水平力は変わらなかった.一方,三角形の整流板や半円形の整流板では水平力も鉛直力も軽減することができた.また,津波が橋に到達する際には,水だけではなく漂流物の衝突も問題となる.氷を流した実験より,特に揚力に影響があることがわかった.