2014 年 70 巻 3 号 p. 474-484
鋼コンクリート複合構造における形鋼シアコネクタは,一般にはコンクリートの圧縮斜材からせん断力と垂直力を同時に受ける.しかし,この条件下での一般性のあるせん断耐力式およびせん断力-ずれ曲線式は提案されていない.そこで,本研究では,一長一短ある既往の実験結果を組み合わせることによって,新たに二種類のせん断耐力式を提案し,その精度を検証した.一つ目のモデルは,せん断耐力を圧縮斜材角度の関数とするものであり,圧縮斜材角度に関する適用範囲は限定される.二つ目は,垂直力が無い時のせん断耐力式に垂直力の影響分として垂直力に抵抗係数を乗じたものを累加するものであり,圧縮斜材の角度に関して連続した式となる.また,せん断力-ずれ変位曲線式としては,頭付きスタッドと同様の指数関数形が適用できる.