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土木学会論文集A1(構造・地震工学)
Vol. 70 (2014) No. 4 p. I_596-I_604

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http://doi.org/10.2208/jscejseee.70.I_596

地震工学論文集第33巻(論文)

 2013年4月13日5時33分頃に発生したM6.3の淡路島地震では,住家被害と共に商業施設でも被害が発生した.南海トラフ地震に備えた商業施設の防災対策の向上を目的として,淡路島内の総合スーパーなど33店を対象に,被害状況と災害対応について調査した.その結果,8割以上の店舗で内装材等の被害が発生し,3割の店で営業開始時間が遅延したことが分かった.また,大型店舗で顕著であったガラス防煙垂れ壁の被害に注目し,洲本市と南あわじ市の4つの店で常時微動観測データをもとに地震動特性の推定を行った結果,南あわじ市の2つの店では強震動観測値よりも大きな地震動が発生しており,また,いずれの店舗でも非構造部材が壊れやすい0.3~0.5sの応答加速度が卓越していた.過去の地震災害においても,ガラス防煙垂れ壁を含む非構造部材の耐震化は課題とされてきたが,商業施設では経費面などの理由からあまり進んでいないのが現状である.本調査結果から,地盤や建物特性によって局所的に被害が増大する場合があることが分かったため,被害が増幅する可能性がある施設を調べ,それらには優先的に対策を行うことが有効である.一方,東日本大震災では,被害を受けながらも一時避難所や物資供給を行った大型ショッピングセンターもあり,地域における商業施設の役割が再認識された.淡路島地震のような中規模地震においては,落下物などで負傷者を出さない対策が最優先であるが,大規模地震では,従業員と顧客の生命の安全確保に加えて,早期に営業を再開させることや,地域貢献も求められる.

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