抄録
本研究では,東北地方太平洋沖地震津波により被災した岩手県三陸南沿岸山田漁港の計187ユニットの防潮堤を対象として,それらの被害及び無被害をGoogle Earth画像及び構造図面に基づき詳細に把握した上で,構造形式毎に防潮堤の被害率と最大浸水深との関係を明らかにした.併せて,重力式コンクリート構造の杭無しの防潮堤に対象を絞り,滑動安全率及び転倒安全率の指標を介し,被災メカニズムについて考察した.その結果,1)杭有り及び杭無しの構造形式を問わず,津波が越流したユニットにおいて被害が集中したこと,2)流出や転倒が生じた杭無しの防潮堤の転倒安全率及び滑動安全率はいずれも0.5以下の低い数値で防潮堤の抵抗力に対して津波作用が卓越した可能性が高いこと,などが明らかとなった.