土木学会論文集A1(構造・地震工学)
Online ISSN : 2185-4653
ISSN-L : 2185-4653
地震工学論文集第34巻(論文)
長時間地震動が作用する鋼製橋脚の耐力低下に関する解析的検討
北原 武嗣岸 祐介鈴木 拓馬山口 隆司
著者情報
ジャーナル フリー

2015 年 71 巻 4 号 p. I_807-I_814

詳細
抄録

 近年,海溝型巨大地震において,地震動の継続時間が長くなる現象が確認されている.政府の専門調査会では近い将来に,東海・東南海・南海地震の連動型巨大地震の発生を予想しており,継続時間の長い地震動に対する構造物の応答について検討が進められている.そこで,本研究では既設の鋼製橋脚を対象に,継続時間の長い地震動に対して幅厚比パラメータの違いによってどのような影響を受けるのか検討を行った.特に,長継続時間地震時の応答として観測される最大荷重履歴後の数十回オーダーの繰り返し変位が及ぼす影響について着目し,橋脚全体における耐力低下現象と局部座屈発生位置における応力状態について,数値解析による評価を行った.その結果,幅厚比パラメータの違いによって繰り返し振幅による耐力低下の割合が異なることが明らかとなった.また応力状態に関しては,幅厚比パラメータによって繰り返し変位履歴中の応力範囲が異なり,耐力低下の原因と考えられる応力―ひずみ関係について示した.

著者関連情報
© 2015 公益社団法人 土木学会
前の記事 次の記事
feedback
Top