抄録
著者らは以前に疑似点震源モデルを用いて2005年7月23日に発生した千葉県中部の地震(Mj6.0)の強震動シミュレーションを行ったが,対象地点が少なく結果の分析が不十分であった.本検討では対象地点を大幅に増やして計算を行い,フーリエスペクトル誤差とPSI比(計算/観測)を指標として誤差要因の分析を行った.具体的には,周波数・震源距離依存型のラディエーション係数の設定法と誤差分布の特徴について調べた.その結果,ラディエーション係数の設定法については,本検討の対象地震では平均的なラディエーション係数に近い条件で誤差が最も小さくなることが分かった.また,誤差の分布については,震央北側の地点で多く見られた過大評価はその傾向からディレクティビティによるものと考えられる.遠方では全体的に過小評価となる傾向が見られたが,これはQ値を適切に設定することで改善された.