抄録
近年,下水道管路施設の老朽化に伴う改築・更新事業が多くの自治体で実施されており,その事業計画の実施手法として,アセットマネジメントによる長寿命化計画が実施されている.しかし,下水道管路施設のアセットマネジメントを実施する際,下水道管路の地震リスクの算出が正確に評価されていないのが現状である.本研究では,下水道管路施設の地震リスクアセスメントを行い,地震リスクの影響を考慮したアセットマネジメントの実施手法,事例の検討を行う.解析モデルとして,小口径管路φ450mmとシールド工法により敷設された大口径管路φ1800mmを対象とし,被災した地中埋設管の補修・補強,再構築費用等の損失額,機能不全による営業損失,下水道施設を使用できないことにより生じるユーザー損失を算出し,これらの情報を基に地中埋設管の地震リスクアセスメントを実施する.