抄録
東日本大震災における教訓を今後の地震・津波防災対策にいかに反映すべきか,多くの課題が議論されている.とりわけ災害時におけるマクロな視点での水循環の確保とそのための施設整備のあり方を,地域要件,時間軸,その他,上下水道サービスを受益するエンドユーザーの視点も踏まえた現実的な方針決定を施策として実行することが不可欠となる.そのため,上下水道等のライフラインを管理する自治体においては,災害時における適正な水循環(質,量)の確保の視点から,当該地域における想定地震・津波規模に相応した現実的な対応力(人,物)や財政力(金)等を踏まえた地震・津波防災対策の基軸となる方針決定を早期に策定することが重要な課題と考える.本研究では,そのための施策について「戦略的な水循環ネットワーク確保」をテーマに今後の研究を進める上での懸案事項の整理や検討すべき具体的な着目点を基礎研究としてとりまとめ,さらに高知市をフィールドにした具体的なケーススタディ事例を示す.