2015 年 71 巻 5 号 p. II_40-II_48
FRP水門扉は昭和40年代から導入され始め,これまでに700門近くが実用に供されている.FRP水門扉は実績として中小規模の水門扉に適用されているが,鋼製水門に比べて耐食性に優れ,ライフサイクルコストが有利になる場合がある.また,軽量であるため施工時の可搬性や運用時の操作性が向上する利点もある.しかしながら,既往の水門扉の設計基準では,FRP水門扉に関わる詳細が示されていない.
このため,FRP水門技術ガイドライン作成小委員会(H180)において,FRP水門扉の設計,施工,検査,維持管理を全般的に包含する指針(案)を策定した.本指針(案)は,現行の水門扉の実務に用いられている許容応力度設計法で記載しているが,参考資料として性能照査型設計法の形式でも示した.